リスク評価と意思決定の勉強会 第5回の簡単なまとめ

皆さん、NGなら連絡をください。

規制には理由がある。

規制には規制がされる理由がある。その歴史を追うことで、その時代にどのようなリスクが高いと判断されていたかが伺える。
高いと判断される理由は、

  • 科学的な知見でリスク自体が高い場合
  • 不確実性の高い場合
  • リスクを過大に評価してしまう事件の発生
  • 特定団体の宣伝の結果

などが考えられる。
これらの歴史を踏まえて、現在の状況を考えることが大切。

Iさんの事例では、ある物質について

  1. その物質を含む○○なしではリスクAが高いため、必要と判断された時代、
  2. その物質の環境リスク(健康リスク)が高いと判断されたため使用が規制された時代、
  3. 結果として使われなり、代替物が使用され始めた時代

の3つに分けられる。ここで比較するべきは以下のマトリックスである。

使用しない場合 使用した場合 代替物を使用した場合
リスクA    
健康リスク    
コスト    
性能    

比較できない小さい差を比較してもしょうがない。

比較する両者の絶対値が許容(無視)できる程度に小さければ、相対値として差があっても比較をする意味があまりない。また、同様に推定値の不確実性が高ければ、比較事態に意味を成さない可能性もある。その場合には、しっかりと比較できるファクターで比較を行うべきである。
つまり、リスクAと健康リスクについて、○○と代替物の間に是たち値として大きな差がなく、両者とも許容できるレベルの範囲であれば、他のファクターで比較をしたほうがわかりやすいかもしれない。

温故知新

上記の物質の場合は規制が進んでおり、代替物への使用変更が進み、使用量自体が減少しているので、いまさら、再使用を訴えてもそれは難しい。
しかしながら、これらの歴史と意思決定を振り返ることで、将来の異なる物質の意思決定において、有益な研究となるだろう。