A区の訴訟の件、最高裁の判決

先週の土壌汚染関係についての一番のニュースはこれでしょう。
最高裁で足立区が逆転敗訴となったようです。

日経新聞の記事

結果として、基準ができる前に土地売買がされた土地については、その後、基準ができたとしても汚染原因者に浄化費用をできない、可能性がでてきた、と言うことです。

日経新聞の記事より簡単な経緯を。

 問題となった土地は、足立区と荒川区を結んで08年に開業した「日暮里・舎人ライナー」の建設に伴い、用地買収のため立ち退いてもらう人に提供する代替地になるはずだった。一、二審判決によると、公社は91年にA社から23億円余りで土地を購入。05年の土壌調査で最大で基準の約1200倍のフッ素が検出された。

 土地の売買契約を結んだ1991年当時、フッ素は有害と考えられておらず、2003年施行の土壌汚染対策法で汚染原因物質に指定され、改めて同公社が調べた際にフッ素汚染が判明した。契約時には売り手、買い手とも有害と分からなかった物質による汚染が、民法上の「隠れた瑕疵(かし)」に当たるかどうかが争点だった。

 堀籠裁判長は判決理由で「売買契約の当事者間でどのような品質が予定されていたかは、契約締結当時の社会通念をしんしゃくして判断すべきだ」と指摘。フッ素が有害と認識されたのは契約締結後で「基準値を超えるフッ素が含まれていても瑕疵には当たらない」との判断を示した。

もちろん、この判例だけが全てではないでしょうが、今後は、この結果が参考にされる可能性が高いと思われます。

疑問 汚染原因者負担の原則と瑕疵の関係。

これは、土壌環境基準ができた1991年よりも前に土地売買がされた土地については、汚染原因者に措置費用請求できない?、という解釈になるのでしょうか。
今回は掘削除去の費用を請求したが、実際には原則としての措置の費用負担も請求できなくなるのかが気になります。

疑問 そもそも掘削除去の必要性

足立区のコメントには、公園利用を考えている、とあります。

足立区のコメント

この土地の土壌汚染は公園利用するのであれば、掘削除去する必要があったのでしょうか?