リスク評価と意思決定2

前回の続き
あくまで個人的な思考の過程です。

Nさんより。

リスク管理者にとって意思決定に使いやすいようなリスク評価を行う必要がある」的なことが書かれてありますね。
研究者としてはリスク評価に手法的なこととか、いろいろと思い入れがあるのですが、やはりもう一度スタートに立ち返って、何のためのリスク評価か、意志決定者が扱いにくいリスク評価じゃ意味がないということを忘れてはいけないと思いました。

リスク評価が意思決定に活用されない理由を正確に把握する必要はありますよね。自省の意味をこめて。

問題は、以下の5つくらいに分類されるのでしょうか。

  1. 技術(評価方法自体)的、学術的な問題点
  2. 方法自体の高度化(複雑さ)による受け入れ側の拒否反応
  3. 結果の表示方法のわかり難さによる受け入れ側の拒絶
  4. そもそものニーズとの不一致による問題
  5. 他の主張との採用競走に敗れる

1に関しては、純粋な研究の話し。意思決定以前の問題、
2、3に関してはリスコミの問題。意思決定の主体への伝達能力の問題。
4に関しては問題外
5に関しては、前回に書いた意思決定の主体の問題。

1だけではなく、1〜4までを満たさないと、学術の世界で止まってしまう可能性が高い、ということでしょうか。現実で広めようとしたら、1〜4に加えて、5を戦い抜く戦略を考えることで可能性を高められるのでしょう。