[論文掲載] Science of The Total Environmentに共著論文掲載

2019年8月26日に、「Factors controlling dissolved 137Cs concentrations in east Japanese Rivers」というタイトルの論文が Science of The Total Environment に掲載されました。こちらもオープンアクセスなので、ぜひご覧ください。

doi.org

 2017年9月に66地点の河川の水中の低濃度の溶存態放射性セシウムを一斉測定をした結果を基にして、沈着量との溶存態放射性セシウム濃度の比から、標準化された溶存態放射性セシウム濃度を算出し、土地利用や地形、土壌性質、水質等の関係性を評価した論文です。

溶存態放射性セシウム濃度の測定には、銅置換体プルシアンブルーを使用しています。第一著者の辻さん、皆様、お疲れさまでした。

[論文掲載] Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistryに責任著者論文掲載

2019年8月16日に、「Repeatability and reproducibility of measurements of low dissolved radiocesium concentrations in freshwater using different pre-concentration methods」というタイトルの論文が Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry に掲載されました。オープンアクセスなので、ぜひご覧ください。

 

Kurihara, M., Yasutaka, T., Aono, T. et al. J Radioanal Nucl Chem (2019). https://doi.org/10.1007/s10967-019-06696-2 PDFはこちら

link.springer.com

 

環境水等の放射性セシウムモニタリング コンソーシアムの取り組みで、2016年から毎年精度評価試験を実施しており、今回は2017年の結果になります。21機関に参加を頂き、各機関でN=3 で10Lの水中の溶存態放射性セシウムを濃縮して頂き、機関内の精度評価および機関間の精度評価を実施しました。また、分析については、各機関で分析をした場合、全検体を1機関で分析をした場合の2通りを比較しました。結果として、概ね良い精度が得られることを確認しました。

採用した前処理方法は、以下の5つです。

  • Prussian-blue-impregnated filter cartridges,(PB不織布カートリッジ法)
  • Coprecipitation with ammonium phosphomolybdate,(AMP法)
  • Evaporation,(蒸発濃縮法)
  • Solid-phase extraction disks,(固相ディスク法)
  • Ion-exchange resin columns(イオン交換樹脂法)

結果の概要は以下の図です。

 

f:id:kae070902:20190824173935p:plain

Fig. 2 Average (a) 134Cs concentrations and (b) 137Cs concentrations. The error bars indicate the standard deviations. PB prussian blue, AMP ammonium phosphomolybdate.

環境水等の放射性セシウムモニタリング コンソーシアムの皆様、参加機関の皆様、ありがとうございました。本結果が、状況に合わせた水中の放射性セシウムのモニタリング手法の選択につながればと考えております。

[シンポジウム]2019-08-27 『除去土壌等の保管、再生利用、最終処分に向けた取組みの現状と今後の課題 -次世代を担う(若手)人材とのコミュニケーション促進-』に関するシンポジウム講演

8月27日の午後に土木学会にて、『除去土壌等の保管、再生利用、最終処分に向けた取組みの現状と今後の課題 -次世代を担う(若手)人材とのコミュニケーション促進-』に関するシンポジウムを開催します。

保高が参画している「『次世代を担う人材への除去土壌等の管理・減容化・再生利用等の理解醸成』プロジェクト」と土木学会 エネルギー委員会の共催です。

保高も講演やWS等の司会をする予定です。残席、あと37ですので、ぜひご参加下さい。

主催:土木学会 エネルギー委員会
共催:『次世代を担う人材への除去土壌等の管理・減容化・再生利用等の理解醸成』プロジェクト(除去土壌等の減容等技術実証事業)
日時:2019年8月27日(火) 13:00~17:30
場所:土木学会 講堂(JR四ッ谷駅下車徒歩5分)
参加費:無料
申込方法:http://www.jsce.or.jp/event/active/information.asp(該当行事右側の「申込画面へ」よりお申し込みください。)
申込締切:2019年8月20日(火) (定員になり次第で締切りとさせて頂きますこと、予めご了承下さい。)
定員:100名

プログラム ※講師・時間等講演内容が一部変更となる場合があります。予めご了承ください。
13:00~13:05 趣旨説明
13:05~13:35 震災発生からこれまで(大迫政浩:国環研)
13:35~13:55 土壌中の放射性セシウムの挙動(保高徹生:産総研
13:55~14:15 廃棄物保管技術(万福裕造:農研機構)
14:15〜14:35 減容化技術・再生利用と課題(万福裕造:農研機構)
14:35~15:05 リスクコミュニケーション・安全と安心(竹田宣人:横国大)
15:05~15:10 休憩
15:10~15:30 事例調査例からみた合意形成促進の方向性  (土木学会研究小委)
15:30〜16:00 コミュケーションの実例(万福15分、保高15分)
16:00~17:00 双方向型のワークショップ
17:00~17:30 次世代を担う若手技術者を中心としたパネル討論
17:30閉会

 

東京都の東京都環境影響評価審議会の委員就任

2019年度より、東京都環境影響評価審議会の委員に就任することになりました。東京で実施される様々な大規模事業に関して、環境アセスメントの審議をさせて頂く機会を得る事になりました。

ちょうど、Sustainable Remediation的な考え方と環境アセスメントの概念についての比較検討をしておくべき、と思っていたところなので、良い機会と考えています。

どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

www.kankyo.metro.tokyo.jp

 

[講演]2019-06-05 令和元年度 廃棄物資源循環学会 春の研究討論会での講演

6月5日の午後に川崎市にて、廃棄物資源循環学会 春の研究討論会「廃棄物・循環資材・リサイクル製品の環境安全評価試験法に関する話題」で「土壌等に係る溶出試験の国際規格化」と題した講演をしました。主に上向流カラム通水試験の国際標準化に関する話をさせて頂きました。

  • タイトル:「土壌等に係る溶出試験の国際規格化」
  • 日時:6月513時~14時30分
  • 場所:川崎市産業振興会館 1 階ホール会場
  • HPこちら

内 容

セミナーA 廃棄物・循環資材・リサイクル製品の環境安全評価試験法に関する話題

廃棄物や副産物由来の循環資材を有効利用する際の環境安全性を評価するための試験・検査法の確立が望まれている。地盤材料として利用される場合には、土壌汚染対策法や土壌の試験法との整合が求められる。一方、地盤材料以外の再利用製品については明確な試験検査法がなく、再利用時の環境影響をどのように評価するのかについては議論が必要である。また、廃棄物に関する試験としては1.規制試験、2.特性化試験、3.現場確認試験、の3種類が必要との提案がなされているが、少なくとも3.現場確認試験、は確立されていない。本セミナーは、地盤工学会の室内試験規格・基準委員会と廃棄物試験・検査法研究部会との連携企画として、試験法に求められる内容や、規格化のプロセス、現状の試験法の課題などについて、両学会のメンバーが話題提供し、意見交換を行う。

プログラム

1.開会挨拶 
   山本 貴士(廃棄物試験・検査法研究部会長、国立環境研究所)
2.廃棄物・再生資源・土壌の試験・検査法に関する話題
 趣旨説明、講師紹介
   水谷 聡(大阪市立大学
 ① 地盤材料と廃棄物に求められる環境安全品質試験 
   肴倉 宏史(国立環境研究所)
 ② 製品の使用/廃棄時の環境安全性評価事例 ~太陽光パネルの環境影響の考え方~ 
   長谷川 亮(株式会社環境管理センター)
 ③ 再生材の六価クロム溶出挙動の評価事例と試験法の課題 
   宮脇 健太郎明星大学
 ④ 土壌等に係る溶出試験の国際規格化 
   保高 徹生(産業技術総合研究所
3.連携体制を含めた総合討論 
   司会:水谷 聡(大阪市立大学

 

 

[論説]廃棄物資源循環学会誌:放射性物質汚染からの環境回復と復興―汚染廃棄物・除去土壌への対処の現状と今後の課題―

1月の案件ですが、廃棄物資源循環学会誌に以下の論説が掲載されました。

  • タイトル:除去土壌の限定再生利用・県外最終処分に関する認知と合意に向けた課題
  • 著者:保高徹生
  • 掲載誌:廃棄物資源循環学会誌,30(1),pp49-55
  • 掲載WEBページ:こちら(全文は会員のみで、アブストラクトのみです。)
  • アブストラクト:

    中間貯蔵施設に搬入される除去土壌量は約1,335m3と推定されており,膨大な量に上る。環境省は,これらの除去土壌について,中間貯蔵開始30年後の2045年までに福島県外での最終処分を完了させる計画である。また,同時に県外最終処分量の低減を目的として,低濃度の除去土壌等に対して用途を限定した再生利用を検討している。

    これらの県外最終処分,限定再生利用に関しては,環境安全性等の技術的事項だけでなく,国民的な議論やステークホルダー間の合意が重要となる。本稿では,まず再生利用,県外最終処分の認知状況として環境省WEB調査結果およびコミュニケーションに関係する現在の取り組みを紹介する。さらに,限定再生利用,県外最終処分を実施する上で極めて重要となる「ステークホルダー間の合意」に関して,必要と考えられる事項と今後の課題について述べる。

保高は主に、県外最終処分の認知に関する環境省の調査結果と再生利用や県外最終処分に関する合意形成について執筆しました。

1年間は会員のみとのことで、4.3. 私見としての「ステークホルダー間の合意形成」における重要なポイント、のみ掲載をさせて頂きます。

最後に上述した内容も含む、筆者が考える適切なプロセスに基づく「ステークホルダー間の合意形成」における重要なポイントを下記に示す。本ポイントが今後の議論の土台となれば幸いである。


Ⅰ. 複数の代替案の準備、代替案毎のメリット・デメリットの整理
Ⅱ. 幅広いステークホルダーをパートナーとして迎え入れる
Ⅲ. 「事業の意義」と「価値観の多様性」を理解する
Ⅳ. 文書化も含めた手続きの公平性・公正性を確保するための仕組みの構築
Ⅴ. ステークホルダー間の共有知を構築
Ⅵ. ステークホルダー間で対話がしやすい環境を用意する
Ⅶ. 時間がかかることを理解する
Ⅷ. 世代間格差への配慮
Ⅸ. 計画に柔軟性をもたせる(中止も含めて)
Ⅹ. 情報公開の徹底 

別刷りがほしい方はご連絡を頂ければと思います。

保高以外に、環境省山田さん、JESCO松田さん、細見先生、国環研 倉持さん、遠藤さんが執筆されており、現状がわかりやすくまとまっています。

 

 

[講演]2019-06-20 環境資源工学会 第138回学術講演会「鉱山排水対策の最前線」での特別講演

6月20日の午前に千葉大学にて、環境資源工学会 第138回学術講演会「鉱山排水対策の最前線」にて、「休廃止鉱山におけるグリーンレメディエーション」と題して、特別講演をいたします。

  • 会議名:環境資源工学会 第138回学術講演会「鉱山排水対策の最前線」
  • タイトル:「休廃止鉱山におけるグリーンレメディエーション
  • 日時:6月20日9時25分~19時(保高の発表は10時〜)
  • 場所:千葉大学工学系総合研究棟2 2階コンファレンスルーム202号
  • HP・パンフレットこちら 

保険物理学会シンポジウムとダブルヘッターで講演なのですが、ぜんぜん違うテーマなのでがんばります。