[論説]廃棄物資源循環学会誌:放射性物質汚染からの環境回復と復興―汚染廃棄物・除去土壌への対処の現状と今後の課題―

1月の案件ですが、廃棄物資源循環学会誌に以下の論説が掲載されました。

  • タイトル:除去土壌の限定再生利用・県外最終処分に関する認知と合意に向けた課題
  • 著者:保高徹生
  • 掲載誌:廃棄物資源循環学会誌,30(1),pp49-55
  • 掲載WEBページ:こちら(全文は会員のみで、アブストラクトのみです。)
  • アブストラクト:

    中間貯蔵施設に搬入される除去土壌量は約1,335m3と推定されており,膨大な量に上る。環境省は,これらの除去土壌について,中間貯蔵開始30年後の2045年までに福島県外での最終処分を完了させる計画である。また,同時に県外最終処分量の低減を目的として,低濃度の除去土壌等に対して用途を限定した再生利用を検討している。

    これらの県外最終処分,限定再生利用に関しては,環境安全性等の技術的事項だけでなく,国民的な議論やステークホルダー間の合意が重要となる。本稿では,まず再生利用,県外最終処分の認知状況として環境省WEB調査結果およびコミュニケーションに関係する現在の取り組みを紹介する。さらに,限定再生利用,県外最終処分を実施する上で極めて重要となる「ステークホルダー間の合意」に関して,必要と考えられる事項と今後の課題について述べる。

保高は主に、県外最終処分の認知に関する環境省の調査結果と再生利用や県外最終処分に関する合意形成について執筆しました。

1年間は会員のみとのことで、4.3. 私見としての「ステークホルダー間の合意形成」における重要なポイント、のみ掲載をさせて頂きます。

最後に上述した内容も含む、筆者が考える適切なプロセスに基づく「ステークホルダー間の合意形成」における重要なポイントを下記に示す。本ポイントが今後の議論の土台となれば幸いである。


Ⅰ. 複数の代替案の準備、代替案毎のメリット・デメリットの整理
Ⅱ. 幅広いステークホルダーをパートナーとして迎え入れる
Ⅲ. 「事業の意義」と「価値観の多様性」を理解する
Ⅳ. 文書化も含めた手続きの公平性・公正性を確保するための仕組みの構築
Ⅴ. ステークホルダー間の共有知を構築
Ⅵ. ステークホルダー間で対話がしやすい環境を用意する
Ⅶ. 時間がかかることを理解する
Ⅷ. 世代間格差への配慮
Ⅸ. 計画に柔軟性をもたせる(中止も含めて)
Ⅹ. 情報公開の徹底 

別刷りがほしい方はご連絡を頂ければと思います。

保高以外に、環境省山田さん、JESCO松田さん、細見先生、国環研 倉持さん、遠藤さんが執筆されており、現状がわかりやすくまとまっています。