資源素材学会北海道支部主催の資源素材フォーラムを終えて

2018年12月6日 は、資源素材学会北海道支部主催の資源素材フォーラムで、「休廃止鉱山のグリーンレメディエーション」というお題で講演をさせていただきました。とても立派な会場で、100名近くの方が参加をされていたのではないでしょうか。休廃止鉱山の各種技術や国の取り組み、さらに自然由来重金属汚染対策の事例等、非常に面白く勉強になる発表がたくさんございました。

 

kae070902.hatenablog.com

 

今回の講演の中で、リスクコミュニケーション/合意形成の話をいれました。最近、保高はリスクコミュニケーションの話をする際に、安全とは?の話をするようにしています。それは、安全の判断基準自体も人によって異なることをご理解いただきたいからです。

 

具体的には、大阪大学の岸本充生さんのスライドを引用、改定しながら使用しています。いくつかの項目について、リスク情報を掲載せずに、安全と思いますか、と会場に問いかけをして手を上げて頂きます。その後、当該事象についてリスク情報を加えてみて、安全と思うか、という問いかけをするものです。例えば、以下のようなお題です。

  • 自動車運転は安全か?
  • お餅は安全か?
  • この部屋は安全か?

 会場で手を挙げていただくと、リスク情報を提供した後でも、特定事象に対して、安全と考える人と、安全と考えない人がいること、つまり同じリスクレベルであっても安全と感じる人と、安全と感じない人がいることです。

 当然ですが、同じリスク情報を聞いたときに、安全と思うか、危険と思うかは人それぞれなんですよね。コミュニケーションをする際には、この点を忘れてはいけないですよ、言う部分をお伝えしています。講演の後、10人以上の方に、わかりやすかった、今度、リスク情報を伝えるときに気をつけてみる、とおっしゃっていただけました。ありがとうございます。とても嬉しかったです。引き続き,よろしくお願い致します。

 また、環境災害における対応計画を作成する上で、重要な点、ということを個人的に少し整理をしてみると以下の感じです。今後、整理、文書化をしていきたいと思います。

  • 計画に柔軟性をもたせる。
  • 合意形成のプロセスは透明化しておき、文書化をしておく。
  • 措置を変更/緩和する場合、初期はフェイルセイフの考え方を取り入れる。(モニタリング/異常時の対応等)
  • モニタリングで、長期的な安全性が確認できた場合の方向性も当初から議論をしておく。
  • ステークホルダーの利益を考える。(ステークホルダーの興味は様々であり、環境だけでなく、社会的、経済的要素も大きい)