リスクのみの視点からのリスク管理とそれ以外の目的におけるリスク管理

先週はあるプロジェクトの会議。保高は放射性物質対策チームのリーダーを務めていて、モニタリング/対策技術についての成果報告を行った際に考えたことを。(結論も答えもなく、ただの悩みを書いているだけのような気がするが、備忘録も兼ねて書いておく。)
市民、行政、研究者、多くの方が参加されていたのだが、その際、どこまでモニタリングをして、どこで対策をするのか、という質問が出た。
Aさんは、「定量下限は基準値の1/10くらいで、それ以上低いところは確認する必要はないのでは」との意見。
Bさんは、「安心をしてもらうためには、より低い濃度を確認している、ということが重要ではないか」という意見。
Cさんは、「緊急時(濃度が上昇し、リスクが許容範囲を超えた場合に)に、しっかりと対策をとる判断基準があり、対策が準備されている、という対応が重要ではないか」という意見。
現状の濃度レベルと環境動態を考えると、モニタリング・対策の費用対リスク削減効果の優位性としては、Aさんの意見で十分だと考えられる。
一方、「価格が下がらない」ことを目的とした場合には、判断基準が変わる可能性もある(というか、現状では恐らく変わるのだろう)。また、この判断や求めるレベルは、判断する人によっても異なるという課題もある。
その部分をリスク管理の目的とした場合、我々は同様な評価軸を持ちうるのだろうか。(同様の経験がある方、教えて下さいませ。)