今シーズンの調査開始
今シーズンのJリーグと連携した調査を下記の通り開始します。年度末の時期で、ちょっとバタバタしておりますが、なんとか乗り切りたいと思います。今回からは、対策も視野に入れた調査になっております。
産総研Linkの記事「大規模集客イベントでの感染をどう防ぐのか」
スタジアム関係の話ばかりですいません。産総研では、Linkという広報誌を出しているのですが、「大規模集客イベントでの感染をどう防ぐのか」実地計測からリスクを評価し、安全につなげる、というタイトルで、インタビュー記事が掲載されました。ご興味がありましたらご一読くださいませ。
報道関係:で、スタジアムのトイレのリスクは高いの??
先日放送されたNHKの内容について、NHKのHPでまとめていただいましたのでご紹介させて頂きます。
で、よく【で、トイレは危ないのですね?】質問をいただくのですが、定量的なリスク評価は今後していく予定ですが、定性的なコメントだけ以下に述べておきます。
(なお、記事には記載されていませんがNHKやJリーグの記者会見で貴社の皆様に花した内容です。)
トイレのCO2濃度は高くなっているところもあるのですが、一人ひとりの滞在時間は短く、皆様マスクを付けておられてかつ話さない状況です。つまり、感染者がいたとしても、トイレに居る滞在時間が短く、かつ飛沫が飛び散る状況(マスク無しで話をする)であることは稀だと思われます(僕が見た限りでは、トイレ内で話をしている人は親子くらいでした)。
同じCO2濃度でも、会議室に1時間いて話している場合のリスクと、スポーツ観戦でのトイレ滞在のリスクは大きく異なる(トイレのほうが低い)と考えられます。
このあたりのリスク評価は、別途検討中ですのでしばらくお待ちくださいませ。
Jリーグのスタジアムやクラブハウスなどで新型コロナウイルス感染予防のための調査(第二報)
Jリーグのスタジアムやクラブハウスなどで新型コロナウイルス感染予防のための調査として、月曜日にクラブハスやスタジアムでの選手控室・スタッフ居室などのCO2濃度と密集・音圧の計測結果についてを公表しました。
今回が第二報となり、今後、リスク評価・対策の効果検討の評価に進んでまいります。引き続きのご指導、よろしくお願いいたします。
調査に協力をして頂いた皆様、ありがとうございました。午前中の専門家会議でも色々ご質問を頂きました。感謝申し上げます。
こういった調査は、通常は論文にしてから公表するのですが、生データは早めに公開したほうが良いと考え、情報公開をしております。今後、解析等を含めて論文化を進めます。
産業技術総合研究所HPより
論文公開:Radioprotection
フランスのRadioprotectionに、連携研究員の高田さんが第一著者、保高が責任著者の「Factors affecting resumption of forest or satoyama usage by former evacuees following their return after the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident(福島第一原子力発電所事故後の元避難者による帰還後の森林の再開または里山の利用に影響を与える要因)」が掲載されました。オープンアクセスです。
福島の森林・里山を対象として、6年間の避難後に帰還された住民の方にインタビュー調査を実施して、帰還前後での森林や里山の利用に関して、里山の個人利用の再開の意思決定の理由について考察をしました。再開した人達は、林産物を商業目的で利用するなど、事故前に里山と親密な関係にあった住民が多く、過去の経験が重要なファクターであることを示しました。
論文の図2:インタビュー調査における共起ネットワーク
Takada M, Yasutaka T, Kanai Y, Kuroda Y. 2020. Factors affecting resumption of forest or satoyama usage by formerevacuees following their return after the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident. Radioprotection 55(4): 325–334,https://www.radioprotection.org/articles/radiopro/full_html/2020/06/radiopro200093/radiopro200093-fig2.jpg