2019年を振り返り

新年、あけましておめでとうございます。

今年は転職して10年目、研究者になって10年目なので、撒いていた種を収穫しつつ、土壌、除染廃棄物、休廃止鉱山等の個別の課題だけではなく、包括的な普遍的な視点を意識して、より幅広く、より面白く、より社会実装を意識・実行し、次世代を意識して、研究活動にとり組みたいと思います。 

引き続きのご指導、よろしくお願い申し上げます。

昨年、新しくしたこと、変わったな、と思ったこと、振り返ります。

 

1.国際会議等にお呼び頂く機会の増加

 フランス、台湾、日本国内のICRPやFMU-IAEA等の国際会議に招待を頂く機会がありました。また、海外の方をお招きする機会も増えました。慣れの問題ですが、まだまだ疲労が溜まるので、これも当たり前、にしていきたいところです。

 

2.論文の引用の増加

 最近、伸び悩んでいた論文の引用数が昨年度、倍増しました。まだまだ少ないのですが、研究者の本分として、良い論文を書く努力は必要ですね。しかし、世の中にはスーパーマンがいること、痛感するところでもあります。

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3.東京都の環境影響審議会の委員など

 今まで全く関係がなかった環境アセスメントについて、東京都環境影響審議会の委員を土壌、水質担当として拝命しました。半年間活動をして、色々考えるところはありますが、フレームワークは非常によくできていて、SRと近いがですし、他の分野への汎用性があると思います。ただし、ステークホルダーの意見を取り入れるという観点からの運用は、まだまだ課題がある気がします。いずれにせよ、ステークホルダーの意見を聞くことは、基本的な概念となりつつある気がするので、それをどのタイミングで、どのように施策に反映させるか、が重要なポイントかと。

それ以外にも、土壌以外の分野で新しい経験をさせていただきました。ありがとうございます。

 

4.学生さんと交わる機会の増加

 「次世代を担う人材への除去土壌等の管理・減容化・再生利用等の理解醸成」や大学関係のお仕事で、今までになく学生さんとお付き合いをする機会をいただき、いろいろ気づきを頂きました。

若い人が減る中で、彼らが何を考え、何を背負っていくのか、そして就職後の継続した学びの場、啓発の場をどのように準備するのか、が今年やりたいことですね。

これ、何気なく、昨年で一番大きなことだったかもしれません。先生方が言っていたことがすこしわかりました。ありがとうございます。

 

5.ISO 21268-3が正式なISO化へ

 4年以上、アップグレードリーダーとして取り組んできた、ISO 21268-3が正式なISOになりました。今年はJIS化です。ご協力を頂いた皆さま、ありがとうございました。引き続き、よろしくお願い申し上げます。

www.iso.org

 

6.改正土対法の施行

 改正土対法が4月に施行されました。今回の改正で、3つのリスク評価(物質移動評価)モデルの土対法として導入がなされました。委員他で関係をさせていただきました。行政向け説明も全国行脚をさせていただき感謝申しあげます。

土壌汚染対策法の一部を改正する法律(平成29年法律第33号)の施行(平成31年4月1日)に伴う平成31年3月1日付け通知に関する計算ツールとマニュアル

 また、46号試験の改正も数年間研究、委員会等で関わらせて頂きました。100%ではないですが、再現性という視点からある程度、良くなったと認識をしております。

 次期土対法改正に向けての課題整理もそろそろ始めないといけません。

 

7.産総研内横連携プロジェクト開始

 内輪話ですが、産総研内の環境汚染研究の研究者を連携をするプロジェクトを開始させて頂きました。4領域をつなぐプロジェクト、上手くできればいいのですが。

 

8.鉱山をたくさん訪問

 休廃止鉱山に関わり始めて2年目、今年、全国のいろんな鉱山の視察、研究を開始させていただきました。鉱山は多種多様、一つ一つ性格が違うこと、やっと認識をしてきました。経産省自治体、事業者、いろんなステークホルダーにお話もたくさん書かせていただきました。

 しかし坑道の長さ、構造、歴史、対策等の時代背景をお聞きすると、すごいなぁ、という感想しか出てきません。

 関係者の皆様、ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いします。


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写真は見学をさせていただいた足尾銅山です。

 

9.新たな手法の研究を開始

 まだ言えないのですが、今までと違った感じの仕事を幾つか開始させて頂きました。種を撒いたかんじです。花を開けば面白いのですが。

 

10.リスコミ/合意形成のニーズの増加

 うん。なんか多くなっていますよね。古典的な問題であり、いい解決策がない、地道な活動が重要という事は変わらないと思うのですが。

 山木屋の皆さまにはヒアリングを含めて、大変お世話になりました。

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 山木屋の春