自然由来・ワールドカフェ
昨年12月に、分野・専門・地域・立場が異なる専門家約30人を集待って頂き、自然由来ワールド・カフェという、専門家の現状認識・問題意識を共有化するための会議の報告を公開しました。
この会議は、
- 整備新幹線、高速道路、リニア建設等で発生する自然由来の重金属を含む岩や土壌に対する現状について共通認識を持つこと。
- さらに課題について議論を行い、今後の実務・研究の方向性について共通認識を持つこと
を目的としました。
日本各地の現場で同時に対応が進められており、その中で実務者・有識者は個別対応を迫られております。各地で採用されている汚染の評価方法や対策手法の設計方法についても、現場ごとに微妙な違いがあります。専門家の知識・架台認識を共有することをカフェの目的としていました。
会議方式
今回、ワールドカフェ方式で、5-6人1組の5グループに別れて20分ディスカッション、というセッションを3回することで、最終的にはどのグループにも皆様の経験が共有化出来たかと思います。
1名、ファシリテーターをおいて、ホワイトボードに意見をまとめていきました。
最終的には5グループで色んな意見が出されたものを、全員で共有していきます。
皆様、お忙しく、かつ、様々な委員会や会議の委員長や委員をされている方だったですが、とても楽しそうにディスカッションをしている姿がとても印象的でした。
現状認識・課題設定を共有することの重要性
専門家の中でも知識、問題意識にばらつきがある、という課題は、多数の専門分野が集まって解決をしなければならない問題においては、よくあるケースだと思います。
一丸となって解決するためには、こういった専門家の知識を共有化し、課題の優先順位をつけていく、というプロセスが非常に重要だと考えております。
また、地域間の連携も重要で、自然由来汚染土壌のように個別発生的に各地で発生する分散型の問題の場合、地域間の知識・組織の情報共有とフィードバックが重要になります。
自然由来汚染土壌だけでなく、放射性Cs土壌廃棄物の減容化、水中の放射性Csのモニタリング手法についても、同様の課題があることから、共通認識、共通知を作るグループを組織し始めました。
ということで、
今回のワールドカフェは始まりだと思っています。
現状得られた知を共有化して、より科学的で合理的な評価方法および対策の設計手法を構築することで、社会的なコストの低減、現場での負担軽減、廃棄物量の低減、さらには環境安全性の上昇が可能になると、考えております。
ここででた課題に対しては、個別、グループ、もしくは全体で対応をしていく予定です。関係者の皆様にはお世話になりますが、引き続きよろしくお願い申し上げます。