横国大での地盤環境工学の授業が始まります。

今日から横浜国立大学理工学部で地盤環境工学の授業が始まります。3年生向けの授業で、昨年度から引き受けている仕事です。

下記のような内容(詳細はこちらで公開)になる予定です。
授業資料は公開できる範囲で、公開をしていきます。

地盤環境工学は、廃棄物や土壌汚染など、地盤と環境に関わる事象を扱います。
その中には、東日本大震災における災害廃棄物や津波堆積物、放射性セシウム含有土壌も含まれますし、建設工事で発生する岩石ズリ等の自然由来の汚染土壌の対策、そして東京オリンピックを始めとする大規模社会基盤整備で発生する人為汚染土壌の対策も含まれます。また、廃棄物の有効利用や埋立に関する技術、事例も含まれてきます。

この授業では、細かい計算や理論の説明、実験はしません。
(多分、それは、必要なときに、必要な場所で、自ら学ぶことでしょう。)

それよりも、あぁ、世の中こんなことがあるんだ、
とか、
こんなことに取り組んでみたい!、
といったことに触れる機会を作れれば、と思います。

・講師のこれまでの実務および研究者としての経験をお伝えして、実務の雰囲気を掴んでいただくこと。
・皆さんに1回もしくは複数回、選定テーマに対してプレゼンやグループディスカッションをして頂き、内容の理解を深めるとともに、プレゼンの能力を向上させること。
巡検、研究所見学等を通じて、社会との接点を持っていただくこと。
を目的としています。

土木・建設の仕事をしていく上で、環境問題は避けて通れません。特に地盤を扱うことが多い土木系の方は、社会人になった後に地盤環境問題に望むと望まざると、取り組むことになります。本授業が皆さんの糧となることを祈っています。


(1)授業の目的
人口増大や都市の発展:
地盤環境問題(地下水・地盤汚染や廃棄物の増大など)とは切り離せない
社会基盤の整備や環境の保全・修復に技術的な責任を持つ土木技術者:
地下水・地盤環境や廃棄物の処分に無関心ではいられない
本講義:地盤環境工学の基礎知識と基本的な考え方の習得

(2)授業の方法
指定した予習範囲について,講義の最初に小テスト
標本やスライド・ビデオによる地盤環境工学の事例紹介
地盤環境工学の課題について,レポート提出,グループ討議,プレゼンテーション
身近な斜面災害発生地域の巡検,学外研究施設の見学・技術者の講演会

(3)成績評価の基準
原則として,すべての講義に出席した者につき,課題のレポートや
プレゼンテーションに小テストを合わせて総合的に評価

(4)教科書
地盤環境工学/嘉門雅史,大嶺聖,勝見武:共立出版(株),2010

(5)キーワード
環境(environment)
地盤工学(geotechnical engineering)
土(soil)
汚染(contamination)
地下水(groundwater)

10月15日 3限,4限:イントロダクション
10月27日 3限,4限:地盤環境工学の全体像を見ていこう。
         地盤環境と震災との関わりについても考えよう。
○参加型:グループディスカッション&プレゼン
11月10日 3限,4限:地盤汚染について考えよう。
○参加型:プレゼン
12月01日 3限,4限:○参加型:研究所 見学会(予定:変更可能性あり)
12月15日 3限,4限:廃棄物と埋め立て処分、有効利用について考えよう。
○参加型:プレゼン&研究者の生の声(?)
1月05日 3限,4限:○参加型:巡検!!(予定:変更可能性あり)&地盤災害と対策について考えよう。
1月19日  3限,4限:地盤環境とリスクについて考えよう。
○参加型:グループディスカッション、プレゼン
2月02日  3限,4限:地盤環境と地球環境問題、生態系について考えよう。
○参加型:プレゼン