土壌汚染対策基金

「土対法の趣旨と現実の土壌汚染の措置の意思決定のギャップとその解決策に関する」に関する論文(大それたタイトルだな、と自分でも思います)を書いています。まだ書きあがらないのか?というお叱りを頂いておりますが、もうすこしです。
さて、その中で土壌汚染対策基金をもっと活用するべきでは?というコメントを複数頂いており、それに対して返答をしなければいけなかったのでちょっと調べてみました。

基金額は14億円

財団法人、日本環境協会のHPに記載されている、平成21年度土壌汚染対策基金管理運用計算書(PDF)によると基金は類型で14億円あるそうです。その内訳は、国庫補助金 5.9億円、企業出えん 8.2億円となっています。
当該年の収入は企業出えん(主に汚染土壌管理票の売り上げ?)により0.7億円の収入があったようです。

使用した事例は2件

現在、基金が使用されたのは確か、2例だったはずです。
土壌汚染対策基金が使用できる条件は、土対法に基づき要措置区域に指定されていること、かつ、汚染原因者が不明もしくは不在であること、かつ、負担能力に関する基準の告示を満たしていることが求められます。
助成金の交付条件はこちら(改正法に対応していますね)
そのため、実際に、全調査に占める土対法の契機が数%、要措置区域はそのまた一部(平成22年12月6日現在で21区域のみ)、という現状を踏まえると現制度での基金の積極的な活用は難しいと思われます。
なお、今回の土対法改正に伴い、14条による自主的な区域の指定を活用すれば可能なりましたので、このあたりがポイントになるかも知れません。ただ、基金の申請に時間がかかること、措置についても指示措置に関する費用、となった場合、土壌汚染の管理に関する費用のみが支払われる、という可能性も否定できませんので、土地取引において使用する、というよりは未利用地の浄化に対して使用する、という形でしょうか。

年間の土壌汚染対策金額と基金の関係

日本の年間土壌汚染措置費用はGEPCによると1000〜1500億円であり、基金残高が2009年時点で約14億円との年間土壌汚染措置費用の1%程度です。これらのことを勘案すると、全ての汚染原因者不明の汚染に対して適用することは難しく、基金活用のみで土壌汚染に起因する経済的な問題の解決は難しい、という現状がうかがえ、他の方法と組み合わせることが必要となると考えます。