カドミウムの水質環境基準の見直し パブコメ

HRIさんがつぶやいていましたが、環境基本法に基づく水質汚濁に係る環境基準の見直しに関するパブコメが開始されました。

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カドミウムについて、農用地(コメ)のカドミウムの基準、水道水質基準等が引き下げられたことを受けて、水質環境基準も見直そう、ということです。この報告書案によると現行の0.01mg/lから0.003mg/lに引き下げる、としています。

スーパートップダウン形式で5年

環境省の報告書によると、これまでの流れは以下の通りです。

  1. 平成18年7月 FAO/WHOの食品群に対する基準
  2. 平成20年7月 国内食品安全委員会 TWIの設定(TDIとして1μg/kg/day)
  3. 平成21年1月 食品衛生法カドミウムの規格見直し公布
  4. 平成22年4月 水道法の水道水質基準の見直し
  5. 平成22年6月 環境基本法の農用地の土壌のカドミウム基準見直し
  6. 平成22年12月 水質汚濁に関わる環境基準の見直しに関するパブコメ

基本的にはスーパートップダウン形式で来ており、スタートから約5年で水質環境基準まで到達しています。水質環境基準が改定されると、当然地下水環境基準も下がります。

想定される影響

環境基準はあくまで環境基準、つまり望ましい基準であり、行政法上の強制力は持ちません。実際に地下水等において環境基準を超過するものが検出された場合、なにもしない、というわけにもいかないのが現実ですが、カドミウムの地下水汚染自体はフッ素、トリクロロエチレンなどと比較すると多くないので、そこまで影響は大きくないと思われます。

しかしながら、今後、このTDIに基づいて排水基準(0.1mg/l)、土壌環境基準(0.01mg/l)、そして土対法の溶出量基準(0.01mg/l)、含有量基準(150mg/l)の見直しがなされる可能性があります。その場合、事業者や自治体への影響は確実にでると想定されます。
土壌への影響として言うと、特にすでに不溶化等により0.01mg/l未満にして売買された土地、0.003-0.01mg/lの間で非汚染土という扱いで対象地に残存しているカドミウム含有土壌の取り扱いなどは非常に厄介になるでしょう。

個人的には

カドミウム自体は2価の陽イオンで土壌に吸着しやすく、土壌中での移動性が極めて低いので、汚染された土壌と地下水面との距離が数m以上(この数字は計算で出す必要あり)あれば、地下水環境基準が仮に0.003mg/lだとしても、土壌溶出量基準は現行のままでも地下水汚染が発生するリスクは低いと考えられます。
このあたりは改正までにいろいろ研究を進めておき、ファクトベースでリスクを提示する必要がありますね。取り組みます。

最近の注目物質

新たな物質等の追加の流れとしては、地下水環境基準が設定された1,4-ジオキサン、塩化ビニルモノマー、水質に関わる環境基準の変更がなされたカドミウム、さらに水道水質基準の強化がなされようとしているトリクロロエチレン(そういえばこれはどうなったのでしょう)、などについては今後の動向に注目が必要です。