週末の沖縄の研究会:自分の発表

水文関係の中堅研究者を中心に14名が参加されていました。
土木学会系の研究会で、僕は土木学会に参加したことがないので、初めてお会いする先生方もたくさんいらっしゃいましたが、気さくな方ばかりでとても楽しかったです。
沖縄の方は、先生もコンサルの方もカリユシウェアでした。なんかゆるくていい感じです。

さて、私は「関東ローム中のホウ素の挙動とリスク評価」と題して、土壌汚染のリスク評価における土質、物質特性の重要性と、それを活用したリスク評価と意思決定について話してきました。

目次

目次はこんな感じです。

  1. はじめに(土壌汚染ってほんとに危ないの?)
  2. リスク評価に基づく汚染土壌のリスク管理
  3. 関東ローム中のホウ素の評価事例
  4. まとめと今後の課題

25分という時間、土壌汚染関係者が少ない、という状況の中で、特にイントロ部分での引き込めるように作りました。具体的には、一般的な環境事故(メキシコ湾やハンガリーの事例)と一般的な汚染土壌を写真で比較、という方式をとりました。

また、吸着能力が高い関東ロームを対象に、鉛、砒素、ホウ素についてのバッチ試験の結果、そして、無極性で移動性が最も高いホウ素についてリスク評価を行った内容について話しました。

なお、演者のキャリアパスのスライドでは、Hさんから頂いたスライドを参考にさせていただきました。Hさんの発表用スライドには刺激をたくさんもらいました。Hさん、ありがとうございます。

質疑内容

  • 農水省にいらっしゃった大学教授より:農用地のCd汚染に関しては、土地所有者からはリスク管理ではなく汚染を除去してほしい、との要望が多い。どうすればそのようなリスク管理の手法の適用が拡大できるか?との質問。

土地所有者の費用負担割合、作物生産における風評被害の問題、買取制度がある、という問題について話すものの、具体的な解決策は提示できず。

  • N先生より:いつ汚染が起こったのか、わかっていたの?との質問。
  • S先生より:経済的な評価、不動産的な評価の基準を変える方向に進めたほうがいいのではないか?との指摘。
  • E先生より:環境リスク評価よりもリスコミが重要じゃない?との指摘。

僕は経済リスク評価のほうが大切と感じている、と回答。

感じたこと

  • このデータ、面白いから論文にしよう。いや、せなあかんな。
  • パラメータ、特に分散長や吸着係数については、ここに集まった専門家の中でも議論が多数存在し、どれを使えばいいのか、ということに結論は出ないようだ。それであれば、リスク評価、という目的を達するためには、やはり感度解析をがっつりする、それで不確実性も含めて評価する、という方向で進めるしかないかな。それはわかっていたんですが、計算時間が膨大になるので避けていたところでもあります(本音)。

いずれにせよ、パラメータに対する専門家の本音がわかったことは、本当に大きな収穫でした。こういったことは本には出てきませんので。