national geographic 10月号 oil spill 特集から考える
national geographicの10月号はoil spill 特集でした。
National Geographic [US] October 2010 (単号)
- 出版社/メーカー: National Geographic
- 発売日: 2010/09/28
- メディア: 雑誌
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メキシコ湾での仕事の収入源・労働者数の統計
総収入はoil&gasが61%、観光が38%、商業漁業が1%
雇用は、oil&gasが17%、観光が81%、商業漁業が2%
単位雇用あたりの収入ではオイルが圧倒的に強いですね。これはいろんな意味をもっていそうですね。そして漁業は思ったよりも少ないのが印象的です。
メキシコ湾での深度別の海底油田の掘削井戸の分布
メキシコ湾には、プラットフォームは3500カ所近く、井戸は50000カ所存在するそうです。
このサイトにメキシコ湾の井戸・プラットフォーム・パイプラインの位置が載っています。こんなにあるとは思っていませんでした。不勉強でした。
これだけあれば、今回のような大規模な事故は滅多に起こらなくても、小さな事故はたくさん起こっているのではないでしょうか。
年度別・深度別の原油産出量の割合の遷移からEPRを考える
一番興味深かったのはこの話でした。
先ほどの画像の左下の方にある小さなグラフに、浅いエリア(SHALLOW)、深いエリア(DEEP1000〜4999ft)、非常に深いエリア(ULTRADEEP 5000ft over)からの原油産出量が記載されています。
これをみると1985年には9割以上が浅いエリアの海底油田(SHALLOW)だったのが、1995年くらいからDEEPの割合が増え、SHALLOWの割合が減り始めます。そして2000年頃に逆転しています。また、ULTRADEEPも2005年頃から増え始め、2009年にはSHALLOWを抜いていルことがわかります。
浅くて容易に掘削可能なところはだいたい掘り終わり、深くて掘削が難しいところに行かざる終えなく状態になっている、という状況です。当然、深い井戸、湾岸から遠い井戸ほど、掘削・運搬にエネルギーを使用するのでEPR*1は悪くなります。
もったいない学会の石井先生が言っているピークオイルとエネルギーの質の話ですね。
人は容易に採れるところから採っていくので、深いところ、湾岸から遠いところに残ったエネルギーはEPRが悪くなります。さらに、技術的に難しい深い部分を掘るため、事故の発生確率も増えて今回のように環境リスクも高くなるわけですね。
普段、ガソリンがペットボトルの水よりも安い日本で日常の生活を営んでいると、ピークオイル、エネルギーの質といっても実感ができないのが本音ですが、このような図で見せられると安価・低エネギーで採掘できる石油資源は、確実に減少している、ということが理解できます。
さらに、この事実を知ったからといって僕がなにができるか?といわれると、それを考慮した研究をすることと日常の生活を少し変えるくらいしかできないのですが、そこから始めないと、ですね。
電子版が安い。。。。
ところで話題を少し変えます。
今月からnational geographicをzinioという雑誌閲覧ソフトで購入することにしました。これは雑誌を購入するとPC、IPAD、IPHONEで閲覧できるソフトです。
何がいいかというと、非常に安いのです。
通常1冊980円するものが、zinioのアメリカのサイトから年間購読すると12冊で15$、1冊1$程度で購入可能なのです。ただし、zinioの日本語版サイトだとなぜか価格が違っていて、数倍高くなっています。
このZINIO、SCIENCEなども販売しているみたいです。
もしご興味があればお試しを。PCでも結構見えやすいですし、かさばらないのがいいです。あ、でも英語ですが。。。。
*1:Energy Profit Ratio:出力(得られた)エネルギー/入力(得るために使用した)エネルギー」