土壌汚染対策法の改正よりも影響が大きいと思われること

昨晩から仕事モードで、久々に土壌汚染ネタです。

土壌汚染対策法の改正よりも影響が大きいと思われる、基準に関する基準強化・緩和および新規物質の追加が、ここ数年のうちに複数の段階に分けて実施される可能性が高くなってきました。

エンビモノマーなど
トリクロロエチレン

リスクベース、順応的管理の考えで行くと当然なのですが、ゼロリスク思考で対応している場合には、大きな問題となるでしょう。
ゼロリスク思考とは、基準値以下であればゼロリスク、基準がなければゼロリスクと判断する、という考え方です。

そして基準強化による影響は、フロー型である大気、水質よりも、ストック型の汚染である土壌・廃棄物の方に明らかに強く出ます。
なぜならフロー型の汚染に対する基準強化は、これからの排出に対する規制であり設備変更で対応は可能です。しかしながら、ストック型の汚染に対する基準強化は、すでに対策が実施されたサイト、つまり浄化が終了したと認識されているサイトについても影響を及ぼします。
もちろん、すでに浄化済みのサイトは公法上では遡っての浄化責任は問わない、ということになる可能性も高いのですが、民民の取引、つまり私法上においては、瑕疵として請求される可能性*1があります。
ある物質の基準ができる前に売買が成立した土地について、その後新たに規制がされた物質の瑕疵が認められた事例*2もありますし。


K省の前課長がご一緒させて頂いた講演会で発言されていた言葉を思い出します。

白の土地、というものはないんだよ。

公法上の環境規制と私法上の土地取引における瑕疵。日本でも、この二つが融合した解を模索する必要があります。

*1:認められるかは別問題

*2:この判決は現在上告中で結果が変わる可能性があります。