土壌汚染の管理において移動性を考慮する必要性について

日本全国ではすでに、自然的原因、人為的原因、盛土等により、多数の土壌汚染が存在しており、日々、それが確認されていくだけだ。、土壌汚染がありました、というニュースは情報は入れるけれども、何かほかの要因がない限りBlogには取り上げないようにしている。なにか、新たな視点、大切な視点、忘れていた視点、があった場合にメモをしようとしている。

昨日の記事を見て、大切な木月があったので簡単なメモを。

六価クロムによる広域地下水汚染

ニュース元はこちらだが、ある県で六価クロムによる地下水汚染が広範囲にわたっていることがわかった、という記事だ。
ご存知のとおり六価クロムは第2種特定有害物質(重金属類等)の中でも移動性が高い物質である。フッ素、ホウ素、六価クロムといった元素は、土壌中に吸着しにくいため、重金属類等なかでは人為由来の地下水汚染が、ほかの物質と比較して相対的に起こ。
結果としてニュースで書かれているような、広範な地下水汚染に結びつきやすい。この事例は、土壌汚染の管理を進めていく上で大きな示唆を与えてくれている。

管理における移動性の評価の必要性

現状の土壌溶出量基準は、飲用水質基準 = 土壌溶出量基準 であり、土壌から人間が摂取する地下水までの間の土壌中の物質の移動にともなう濃度減衰は考慮されていない。これらの移動に伴う濃度減衰は物質や土質によって大きく異なる。
少し専門的な言葉を使えば、曝露評価における物質移動による濃度減衰と到達時間(到達時間を考慮している例は少ないかもしれない)を考慮していない。また、本当の問題は、実際の汚染の対策おける判断において、これらの内容が考慮されている事例は少ない。(もちろん、専門コンサルティング会社は考慮していますが。。。。)
つまり、基準の2倍の汚染があったとしても、移動性が高い六価クロムか、移動性が低い鉛か、によって、地下水汚染の発生・拡大のリスクが大幅に異なるのだ。また、この話には関係がないが、地下水汚染の発生・拡大のリスクには土質も大きな影響を及ぼす。

移動性の評価をしない場合に生じる問題は?

ここを理解しておかないと、汚染を管理する、というときに大きなミスリードが生じてしまうことがある。管理することで汚染が拡大してしまい、結果として、対策費用が増加してしまう、という状況である。
このニュースは、汚染を管理する場合の、適切なリスク評価が必要性とミスリードした場合の問題の大きさを再認識させてくれた。*1

作成時間30分

*1:この事例は、過去の汚染がすでに広がっている事例であるため、ここで書いたミスリードをした事例ではありません。