環境規制と土地の価値2

昨日はこう書いた。

環境リスクが極めて小さくても、そこに基準超過土壌が残っており、それが原因となり将来も含めた土地の利用に支障がでる可能性がある限りは、その土地の価値は下がる。
それは、基準超過土壌があるかないか、という論点ではなく、将来、その土地の利用に何らかの支障が出る可能性があるか、という論点であり、地中構造物、地中埋設物と同じ扱いであり、支障が出る可能性があるので価値は下がる。
環境リスクの有無はこの時点で土地の価値と関係がなくなっているのか?

Iさんから貴重なご意見。

環境リスクがYさんの言う”支障”に関係していれば,土地の価値とは無関係ではないとは思います。
そこは要は,おそらくリスク認知の問題で,「10-5のリスクは大きい」とか
「リスクはお金がある限り可能な限り小さくしたい」とか考える場合は,(Yさんが通常)予想しているより,環境リスクが過大に貨幣換算されている。ということではないでしょうか。

なるほど。支障と環境リスクは無関係と書いたが、ご指摘のとおりよく考えるとそんなことはなかった。
ここで私が支障としたのは、その基準超過土壌を、建設工事等に伴って外に持ち出す際には適切に処理をしてください、その場合は通常の汚染土壌の処理と同様の費用がかかりますよ、という内容である。
その土地に有る場合は、環境リスクが極めて小さくても、一歩、その土地から出ると、潜在的なリスクを持った土壌となるということだ。
Iさんの言うとおり、環境リスクが関係があった。ありがとうございます。一律の指定基準や環境基準の値は、その設定根拠に色々あったとしても、やはり重たい。
この問題の解決法はないのか。
幾つか思いついた。キーワードは地域循環と特区かな。でもなかなか制度としてまわすのが難しそう。

ちなみにこの議論とは関係ないが、汚染を残した土地の価値を下げられるリスクがもう一つある。それは次の次の土地の買主が、やっぱり僕はきれいな土地がいい、というリスクだ。