論文公開:Radioprotection

フランスのRadioprotectionに、連携研究員の高田さんが第一著者、保高が責任著者の「Factors affecting resumption of forest or satoyama usage by former evacuees following their return after the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident(福島第一原子力発電所事故後の元避難者による帰還後の森林の再開または里山の利用に影響を与える要因)」が掲載されました。オープンアクセスです。

福島の森林・里山を対象として、6年間の避難後に帰還された住民の方にインタビュー調査を実施して、帰還前後での森林や里山の利用に関して、里山の個人利用の再開の意思決定の理由について考察をしました。再開した人達は、林産物を商業目的で利用するなど、事故前に里山と親密な関係にあった住民が多く、過去の経験が重要なファクターであることを示しました。

Factors affecting resumption of forest or satoyama usage by former evacuees following their return after the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident | Radioprotection

 

https://www.radioprotection.org/articles/radiopro/full_html/2020/06/radiopro200093/radiopro200093-fig2.jpg

論文の図2:インタビュー調査における共起ネットワーク

Takada M, Yasutaka T, Kanai Y, Kuroda Y. 2020. Factors affecting resumption of forest or satoyama usage by formerevacuees following their return after the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident. Radioprotection 55(4): 325334,https://www.radioprotection.org/articles/radiopro/full_html/2020/06/radiopro200093/radiopro200093-fig2.jpg

NHKに報道されました。はい。

昨日、2021-01-22のおはよう日本で、6分ほどの、ルヴァンカップ決勝での産総研の調査やJリーグの取り組みを報道して頂きました。

感謝申し上げます。いろんな方からご連絡を頂きました。鼻が出たマスク状態でインタビューに答えていたことを色々突っ込まれましたが、調査の途中でずれた事に気づかずインタビューに答えていた状態です。大変失礼しました。

NHK+で1週間は見れるようです。

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そういえば、NHKのニュース報道は、2013年の福島の除染費用の報道依頼でした。

www3.nhk.or.jp

Jリーグのスタジアムやクラブハウスなどで新型コロナウイルス感染予防のための調査(第一報)

ちょっと前ですが、火曜日にJリーグのスタジアムやクラブハウスなどで新型コロナウイルス感染予防のための調査(第一報)を産総研の主な研究成果で発表しました。Jリーグの記者会見でも説明をさせて頂き、多くの質問をいただきました。ありがとうございます。また、色々ご報道を頂きまして、ありがとうございます。

早めに情報提供が必要と考え、1月4日まで調査をして、1月12日に速報を出すという形で、いろんな方にご協力を頂きました。各クラブ、スタジアムの関係者の皆様、ありがとうございました。引き続き感染予防に資するデータを蓄積していきたいと思います。

 

www.aist.go.jp

 

www.jleague.jp

 

www3.nhk.or.jp

 

www.jiji.com

twitter.com

 

RAの募集

来年度から大学院修士課程の産総研RAの公募をしています。給料をもらいながら、産業技術総合研究所修士論文の研究をできるチャンスです。ご興味がある方はぜひ。

研究内容:大規模環境汚染に対する合理性・持続可能性を包括した環境修復フレームワークの構築に関連して、被災地域の歴史や地域住民の意識調査等の研究を実施する。

産総研 - 採用情報 契約職員募集(つくばセンター)

産総研:リサーチアシスタント制度

活動報告(県外最終処分に向けた技術開発戦略の在り方に関する研究会)

保高も委員として参画をしておりました、「県外最終処分に向けた技術開発戦略の在り方に関する研究会」の報告書が環境放射能除染学会より公開されました。

 

khjosen.org

 

目次は下記のとおりです。保高は6章を担当させていただきました。ご協力を頂いた皆様、ありがとうございました。

 

かなりボリュームがある内容になっておりますが、大迫さんが執筆された7章は、環境以外にも、様々な視点が入っており、ぜひご一読いただきたい内容となっております。(お正月前にご紹介できればよかったですね。)

1.はじめに

2.最終処分を考えるために必要な共通知識

3.マスバランス計算とケーススタディ

4.経済性評価

5.技術的な観点から考えうる処理・処分シナリオ

6.県外最終処分に関わる仮想的なステークホルダーヒアリング

7.最終処分の実現に向けた提言

 

報告書のPDFファイルはこちらです。

http://khjosen.org/home/images/SRRCE_20201130-Report.pdf

 

 

 

2020年の振り返り

皆様、あけましておめでとうございます。

昨年実施したことの振り返りを少しだけさせていただきました。

本年も色々お世話になると思いますので、よろしくお願いいたします。

 

1.Jリーグ関係の感染予防対策の研究

10月頃からJリーグ等と連携をして感染予防対策の研究をスタジアムやクラブハウスで等で開始しました。今治、山形、札幌、川崎と各地で調査をさせていただきました。近いうちに結果のご報告ができればと思います。各クラブの皆様、Jリーグの皆様には感謝申し上げます。

www.jleague.jp

www.aist.go.jp


2.ICRP 原子力事故後の復興に関する国際会議

12月にオンラインで開催されたICRP 原子力事故後の復興に関する国際会議、オンラインになったことで100カ国以上から登録がありました。本会議について諮問グループ、除染の座長、自分自身の発表、お世話になった大橋さん、菅野源勝さんのインタビュー発表など、関係させて頂きました。プレゼンテーションは後日公開されれる予定です。特に大橋さん、源勝さんのインタビュー動画を残せたことは嬉しく思います。

 

www.icrprecovery.org


3.OECD−NEA-ERGMのメンバーへ

2月のOECD−NEA-ERGMの会議で発表したご縁で、OECD−NEA-ERGMのメンバーになりました。除染グループ、廃棄物グループに属しています。コロナの影響で、オンラインでの会議が続きますが、貴重な経験になっています。OECD-NEA、ICRPIAEA、UNSCEARなど色々組織がありますが、その関係性もなんとなく理解できてきました。


4.上向流カラム通水試験のJIS化

2019年にISO化された上向流カラム通水試験(ISO21268-3)のJIS化が、国内審議委員会である地盤工学会において開始されました。また、地盤工学会内でJIS化の議論をすすめるWGの委員長を務めることになりました。JIS化を目指して頑張っていきます。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 

www.iso.org


5.産総研 領域融合ラボ 環境調和型産業技術研究ラボ開始&チーム長

2020年4月から産総研の第5期が始まりました。領域融合ラボが7つ立ち上がり、地質領域の環境調和型産業技術研究ラボの社会実装チームのチーム長として、領域融合を推進していきます。社会実装チームには、産総研の7領域のうち6領域の研究者が所属しております。融合が目的ではなく、社会課題解決のための融合、ということを意識して邁進してまいります。

www.aist.go.jp


6.休廃止鉱山の現地調査・連携の強化

休廃止鉱山の抗廃水処理に関する持続可能な処理に関する研究や経済産業省自治体等との連携を開始して、3年が経過しました。2024年度からの第6次基本方針策定を見据えて、北海道・東北の鉱山において、様々な連携・現地調査を継続・新規スタートしております。先程の領域融合ラボでも一つの大きな柱として位置づけており、参加する産総研の研究者も微生物、同位体、生態影響調査、分析、リスク評価、統計など様々な方に参画を頂いております。

 


7.山木屋学校の論文の出版

2015年くらいから山木屋の菅野源勝さん、廣野晶彦さんらの住民の方々と続けてきた双方向型学習プログラムである山木屋学校の論文が国際誌に掲載されました。色んな方々に論文として残すべきだ、とのご助言を頂きまして、なんとか書き上げました。原子力災害後に避難指示が解除された地域において、外部の人間のか変わることの効果とその限界、を示しています。この論文、そして山木屋学校を30回以上開催できたのもひとえにに地元住民の皆様、参加者の皆様、事務局の皆様のおかげです。厚く御礼申し上げます。

Dialogue, radiation measurements and other collaborative practices by experts and residents in the former evacuation areas of Fukushima: A case study in Yamakiya District, Kawamata Town | Radioprotectionhttps://www.radioprotection.org/articles/radiopro/full_html/2020/05/radiopro200047/radiopro200047.html

 

8.大学でのオンライン授業

今年は横浜国立大学早稲田大学で講義をさせていただいております。初めてのオンライン授業でしたが、通常の対面授業よりも学生の発言・質問が積極的で、グループワーク等も学生同士でうまくできている感じがします。若いってすごいな、と思いながら授業をさせていただいております。(もう年ですね。。。。)

 

9.グループ長に

4月から地圏化学研究グループのグループ長を鈴木さんから引き継ぎました。多分、管理職です。グループの皆様と連携しながら、色々チャレンジしていこうと考えています。色々不手際もあった(ある)かもしれませんが、皆様のご指導、よろしくお願いいたします。

unit.aist.go.jp


10.受賞

僕ではないのですが、共著論文を発表した高田モモさん(産学官連携来所者)が2020年度日本リスク学会大会 優秀発表賞(ポスター部門)を受賞しました。おめでとうございます!
・高田 モモ 氏(量子科学技術研究開発機構産業技術総合研究所):福島の農山村地域における農地・森林除染に対する帰還住民の意識

www.sra-japan.jp


11.論文 

2020年は、国際誌 5報公開+アクセプト1報、査読付き和文誌 1報公開+アクセプト1報、日本語総説 1報でした。まだ、解説をしていない論文もありますが、個人的には、山木屋学校論文および5年くらいかかったメンブレンフィルター論文(近いうちに解説を書きます。以下です。)が公開されて、ホッとしております。

 

www.sciencedirect.com

 

12.委員関係

今年は、環境省中間貯蔵施設関係、経済産業省の鉱山関係、北海道新幹線関係、東京都環境影響評価審議会等の幾つかの委員をさせていただいております。引き続き、社会に貢献ができればと思っております。

 

Jリーグでの感染予防のための調査について(@12/16-等々力競技場)

Jリーグでの感染予防のための調査の追加版です。2020年12月16日(水) 2020明治安田生命J1リーグ 第33節 川崎Fvs.浦和(19:00キックオフ/等々力)でもCO2の調査を実施させて頂きます。

 

www.jleague.jp

 

www.aist.go.jp

 

www.frontale.co.jp

先週末は、2020年12月13日(日)2020明治安田生命J2リーグ 第40節
モンテディオ山形 VS ファジアーノ岡山NDソフトスタジアム山形)の調査もさせていただきました。山形は雪で寒かったです。